ご挨拶(プログラムより)

本日は AMI triangulo & The WILL「狂詩曲 rhapsody」銀座博品館劇場公演にご来場いただき誠に有り難うございます。今年の夏ご好評いただいた公演「Movement」から4ヶ月、こんなに早くこのステージに立つことが出来ることを嬉しく思っています。

2003年に上田遥さん演出振付の舞台「カルメン」で、15年間のスペイン生活を終え帰国したAMIさんと知り合いました。それから互いに影響しあい、それぞれのステージを通じて表現して来ました。そしてAMIさんの持つ揺るがないフラメンコへの想いを感じ、いつか一緒に作品を作り大きな舞台で対峙したいと思うようになりました。

「Movement」では2つのユニットの個性とその融合をライブ感覚でご覧いただきました。「狂詩曲 rhapsody」と題した今回はフラメンコの持つ民族的色彩を軸に、自由で劇的なパフォーマンスをご覧いただきたいと思っています。

僕にとって2006年に行った「SOLO-ist」以来の一大イベントである今回、万全を期し進めてゆきましたが、そんな中、いよいよ構成が固まりリハーサルに入ろうかという11月のある日、僕にとって師であり、片腕であり、闘う友でもあったピアニスト深町 純を失いました。10年間深くお付き合いをさせていただき、The WILLでともに活動し僕にあらゆる指針を示してくれた深町さんの死という現実を前に、一時は進むべき道を見失いました。が、作品を残すアーティストである以上、この博品館の舞台で表現できるチャンスを与えられたことに感謝し、再び作品に向かい始めました。傍らには常に深町さんの影がありました。

そして今日、一段とパワーアップしたAMIさん率いるAMI trianguloとThe WILL、そして僕たちの仲間であり、素晴らしいアーティストであるピアニスト 江草啓太、ギタリスト 白土庸介の2人をゲストに迎え、あらゆる想いを胸に今、僕たちが持てるすべてを賭けてこの一夜限りの公演を行いたいと思います。

この公演は3つのシーンで構成されています。1ステージのみで休憩はありません。又 演出の関係上お話を致しませんので、公演プログラムを手がかりにご覧ください。では、最後までごゆっくりお楽しみ下さい。

堀越 彰