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新年明けましておめでとうございます。どんなお正月を過ごされましたか?
僕はいつになく落ち着いたお正月を過すことができました。そして、今年も働き盛りの40代をアクティブに、風林火山の如く駆け抜けたいと思っています。

今年最初のライブは、今ノリに乗っている「東方異聞」を、渋谷セルリアンタワ−2Fの JZ Brat で行います。ことしはここから始めます。このJZ Bratは来られた方が皆、喜ばれていたお洒落なところです。

ゲストにアルバム"A Strange Story from the Far East"に全面協力を得たピアノ&キーボード 深町純氏を迎えるほか、急遽決定した民謡歌手 伊藤多喜雄氏もゲスト参加していただけることになりました。僕が聴きたい多喜雄さんの歌をリクエストし、いらしていただく皆様に心ふるわせていただきたいと思っています。

多喜雄さんと打ち合わせる前にこんなことを言うのもなんですが、例えば僕の一番好きな「江差追分」の歌詞をご紹介しますと、

       松前江差の津花の浜で ヤンサノーエー
       好いた同志の泣き別れ
       連れて行く気はやまやまなれどネ
       女通さぬ 場所がある

       泣いたとて どうせ行く人 やらねばならぬ
       せめて波風 おだやかに
       泣くなといわれりゃ 猶せき上げてネ
       泣かずにおらりょが浜千鳥
       ソイ ソイ ソイ

何か切なくて素敵でしょ。まだ歌ってくれるか分かりませんよ、打ち合わせはこれからですから。でも当日は、曲解説とともにいろいろお話も聴いてみたいと思います。どうぞお楽しみに。

「東方異聞」メンバーの薩摩琵琶の首藤久美子、笛 尺八 能管の竹井誠、尺八の小濱明人、ベースの吉野弘志ももちろん全開です。JZ Brat を新たな日本の音楽の誕生の場にしたいと思います。また試聴ページで「東方異聞」の音を聴いていただくことができます。ぜひアクセスしてみてください。

 ここでは「東方異聞」のメンバー、プロデューサー、多喜雄さんのコメントをご紹介したいと思います。深町さんはいつもたくさんコメントをいただいているので、今回はお休みです(笑)。
 そうそう、深町さんが祐天寺にダイニングバーをOPENしました。その名も「FJs」。看板がわりに田中真聡のオブジェがくるくる回る、気楽でお洒落なところです。ぜひいらしてくださいね。運よく深町さんがお店にいて、気が向けばピアノ演奏が聴けるかも!? 気が向かなきゃ説教されるかもしれませんが・・・。

 話が長くなって申しわけありません。では2/13、JZ Brat にてお待ちしております。



音楽畑の道を一歩一歩進み、一つずつ積みあげてきた 堀越彰さん。
最近の堀越さんはまた一つ、新たな音楽道に向かっていることが強く感じられます。
それを確かめるには、ライヴに行くか一緒にやるかどちらかではないだろうか。
僕も今回はどちらかに参加して、確かめてみたい。



「東方異聞」を世界へ!

新たな和楽アーティストのプロデュースやCDリリースを展開する中で一つのキーワードは「和」と「洋」をいかに超えるかということにあった。その考えから幾つかの和楽プロジェクトをここ数年行ってきたが、和楽と洋楽の壁を超え新たな世界を生み出すことは想像以上に難しいと感じていた。そんな中で出会ったのが「東方異聞」をプロデュースする堀越彰氏であった。

洋楽のプレイヤーながら、和楽アーティスト以上に「和」に対する深い思い入れを持つという貴重な存在だった。自らが「洋」と「和」の壁を自在に超え、メンバーの実力派アーティストを率い独自の音楽を生み出している。その音楽は、日本の伝統文化からかけ離れたところで生きている多くの日本人に、そして、日本から発信される音楽を求める世界の人々に届き、日本の美と心をも伝えてくれるのではないかと思う。

「東方異聞」を世界へ!が、次なる私の目標である。
http://www.waternet-sound.com



土俵の異なる個性豊かであくの強い楽器群が共通の土台の上でお互いの融合と反発という2つの相反するものの瀬戸際から紡ぎだされる東方異聞ならではのオリジナルサウンド。 そしてそれは私にとって東方異聞の魅力であり特異性だと思っています。


最初に堀越さんから電話をもらった時、琵琶とドラムスと私の3人でした。
どんなサウンドになるかと思いましたが、初演の時、面白いと感じました。

あれからベースと尺八が加わり、ゲストで鍵盤にも入っていただくようになり、響きは多彩な物になりましたが、気持ちとしては3人で始めた頃を忘れないでやっているつもりです。



堀越さんと話しをしていていつも気づいたり考えさせられたりする事があります。“表現する事そのもの”についてです。

ドラムという楽器の枠を越え、あまり人のやる事のない編成を選び、しかも音楽というジャンルをも飛び越えようという姿。堀越さんが今やっている3つのプロジェクトは一見バラバラのように見えますが、“表現する事⇔自分とは何かという事”を追求するという姿勢で清くそして鮮やかに貫かれています。

日本の音楽は西洋的な視点では割り切れないものを多分に含んでおり、しかも多層的に発展していてお互いに独立した世界を持っています。「東方異聞」は和と洋の楽器がただ単に一緒に演奏するという事だけではなく、別々に発展して来たいくつもの日本の音楽を堀越さんという糸で力強く結びつけて行くというそういった試みでもあるのです。

私も様々な枠組から遠く離れ、「今」に生きる者としての音楽を堀越さんと共に作って行ければと思っています。


洋楽やポップスのリズムや音程の枠にはまり切らないところに邦楽や民族音楽の魅力があると思うのですが、世の中には浅薄な邦楽フュージョンが多過ぎます。

ひと味違う東方異聞を是非聴いていただきたいと思います。





AKIRA HORIKOSHI 東方異聞
「A Strange Story from the Far East」
"いにしえに眠る 雅の魂よ 今に蘇れ"

ゲスト 
伊藤多喜雄 Vo

2007年2月13日(火)
 JZ Brat
 (渋谷セルリアンタワー東急ホテル2F)
 Music Charge \4200 + オーダー
http://www.jzbrat.com/
03-5728-0168 (チケット取扱)  





堀越彰の演奏を最初に聴いたのはジャズの現場(山下洋輔トリオ)だった。 当時はてっきり単なる"ジャズドラマー"かと思っていたのだが、いつの間にかアートやダンスとのコラボレーションなど、とても幅広い活動を同時進行させるアーティストになっていた。

そんな堀越が、2000年に首藤久美子(薩摩琵琶) 竹井誠(笛 尺八 能管)と結成したユニットがこの東方異聞。さすが長いことライブを続けてきただけあって、収録された10曲には寸分の隙も感じられず、充実した演奏がぎっちりと詰まっている。さらに笛、尺八という2種の吹奏楽器や琵琶、ウッドベースという2種の弦楽器がつくり出すコントラストや、舞台の転換のように素早く変わる曲調など、ある意味で非常に立体的な作品が揃っている。

この辺りは、堀越が単に音楽だけでなく、様々な表現芸術に関わって来たことの一番の収穫なのではないだろうか。

ゲスト参加のヴォーカリスト、ERICOの個性的な歌声も印象深いが、もう一人のゲスト、深町純の圧倒的な存在感(それでいて決してでしゃばっていない)には驚かされる。まさに"音の職人芸"というべき演奏だろう。

曲は堀越の手によるものがほとんどだが、一曲だけのカバー曲「月の沙漠」はメロディの知名度以上に斬新なアレンジがいい。(渡部晋也)

山下洋輔との活動によりジャズ・ドラマーと認識される堀越彰だが、実際にはジャズという枠では括りきれない幅広い音楽性を持つ。

彼の率いる"東方異聞"は洋/邦のリズムとメロディが絡み合う唯一無二の音楽を作り上げるユニット。薩摩琵琶、尺八などの楽器が表現する"和"にとどまらず、堀越自身のルーツから沸き上がる"和"の要素が際立つ。打楽器奏者としてはもちろん、総合的に音楽を作り上げる手腕を発揮した作品。
(上遠野圭作)

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